辺境領主の看護記録3話リライト版

2026/09/27

t f B! P L
「ヴェスタリムは以前は銀の産出が――」
銀、あ、ダメじゃん「ん」ついてんじゃん。

「領民は150人程度で――」
150人、あ、だめや。「ん」ついてる。

あー、机がつべたい。
ほっぺがいやされるわ~。

「料理番が一名――」
料理番、あ、「ん」だわ。え、わざとやってる?この人。

あー、そろそろ机ぬるくなってきたなー。次の場所は…?どこじゃどこじゃ…。ズリズリ。お、冷たい。

そういやキャンプしたかったなー。今唐突に「キャンプしたいです!」っていったら許してくれるかな、このおじさん。勢いによっちゃワンチャンありそうだよね。もう机吹き飛ぶレベルで挙手して「私っっ!ノルナはっっっ!キャンプやりたいですっっっ!!」卒業式テンションでいけば行けるよねたぶん。

よしいっちょやってみるか。

……

…

「キ…」

やめとこ。絶対怒られるわ。

いや逆に小声で言い続けてあの、なんていうんだっけ洗脳?だっけサブリミなんちゃらっていうあれやってみよかな。「キャンプ」「キャンプ」「キャンプ」「キャンプ」…あれ気づかないな。んじゃもうちょい大きな声で「キャンプ‼」「キャンプ‼」「キャンプ‼」「キャンプ‼」

「お嬢様」

…!こっわ。「ゴメンナサイ‼」「ゴメンナサイ‼」「ゴメンナサイ‼」「ゴメンナサイ‼」。…サブリミなんちゃら行けたか…?

「お嬢様、少しいいでしょうか」

……!「ゴメンナサイ‼」「ゴメンナサイ‼」「ゴメンナサイ‼」「ゴメンナサイ‼」

……

…

その後私はこの執事、ロドに連れられ町に出て、なんか顔色の悪かった子供をなんとなしに看病し、なんとなしに快方に向かわせた。やりぃ!

ただまぁ焦ったぁ…。焦ったねぇ。そりゃもう焦った。 
だって、え、魔法って病気に効かないって。焦ったねぇ…。え、何のための魔法。
で、祈るだけ、とか。病に対しては。祈るだけ。

なにその右手は添えるだけみたいな。

ヤバそうだったからつい手出しちゃったけど、薬もないし注射もないし医者もいない。水をちょっとずつ飲ませるくらいしかできなかったけど、何となくよくなってくれてよかったぁ…。
まじ、冷汗。いやーマジ冷汗。

……

…

はい。お風呂でリラックス終了っと!
いやー、今日も働いたなー。にしてもあの時キャンプって言っとけばよかったなー、そしたら今頃キャンプできてたかもしんないもんなー。絶対楽しいやつだよなー。

よし、んじゃえーっと?まず「拝啓お父様」。
んいやちょっと固いか。そだよね家族だもんね。「お父様!元気でいらっしゃいますか?あなたの可愛い可愛いそれはもう目に入れても痛くないノルナでございます!」うーん、最後の所♪マークの方がいいかな。うん。丸めてポイっと。

「ノルナでございます♪」うんうん、こっちの方がきゃぴきゃぴ感が出て尚いいではないか。天才だな、私は。ふふんっ。
「実は折り入って相談したいことがありますの。」いや「ありますの♪」か、やはりここも。んじゃ丸めてポイっと。

「ありますの♪実は私には領主の仕事はいささか、いえ、かなり大きな?その負担となっておりまして…」いや違う。「なっておりまして♪」だな、初志貫徹を忘れるなノルナよ。よし、丸めてポイっと。

「かなり負担となっておりまして♪ヴェスタリムは廃墟です♪死にそうです♪つきましては王都に戻していただきたく存じますっ♪――あなたの可愛いノルナより♪♪」

…うん、見事な出来栄えすぎて鳥肌が立ってきた。きゃぴきゃぴの権化じゃないか。こんなのもらった日にはどんな男性だって落ちる。落ちるというより死ぬ人だっているはずだ。父さんが即死しなければいいけれど…。それだけが心配。

よーし!あとはこれをロドに頼んで早速出してもら…。

…んでも怖いんだよなあの人。
…ん。と、とりあえず推敲もあるしもうちょい頃合いを見て的な?1日遅れたところでそんな変わんないだろうし。…ねぇ?

寝よ。

QooQ